大きな病気の治療ともなると、薬や病院代のほかに日常品、日用品の購入も多くなる。
試しに買う、買ったが気に入ってもらえない、気に入ってたのに飽きる、こちらはよかったのに治療上やめなきゃいけなくなる、etcetc。

ゴハンにおやつ、サプリに療法食。
シリンジや服やカラーに至るまで、新品未使用の山・山・山。
まだ使える中古品も入れるなら、山から連峰に格上げ確実。

さすがにこれはもったいないと感じたはな。
どちらかと言えば、断捨離なんて流行る前からの生粋の捨て魔。
普段ならそんなこと思わないけれど、これは必要としている人がいるんじゃないかと考えた。

結果、生まれて初めて「寄付」というものをやってみた。

まずはきちんと欲しいと思ってる人を探さなくてはいけない。
なんでもかんでも不用品を送り付けるのは寄付とは違う。
相手が欲しいモノとこちらが送りたいモノが一致していることが最優先。

はなとミドリちゃんの不用品は、

テルモシリンジ中口 50ml 2箱
テルモシリンジ中口 5ml 1箱
バラのシリンジカテーテルチップ 数本
カルカンパウチ マジで山ほど
a/d缶 10数缶
ゴールデンキャットミルク1缶

肝は、シリンジを欲しいと言ってる人を探すこと。
シリンジなんて欲しい人からすれば消耗品でも、いらん人からしたら捨て方に困るただのごみ。
「猫 寄付」と検索をかけて、欲しいものをリストで出してるところに絞って探してみた。

すると、
東京キャットガーディアン~子猫の里親募集~
東京キャットガーディアンという団体さんを発見した。

テルモシリンジ中口50ml2箱以外は、欲しいモノリストに上がっている。
お問い合わせ欄があったので、 テルモシリンジ中口50ml2箱もあるけれどどうですかと送ったところ、ぜひ欲しいという返事をいただけた。

それさえ確認取れれば、あとは簡単。
送る日付と内容を連絡して、梱包して送るのみ。
寄付なので、当然送料はこちらで負担。
思ってたより簡単に、捨てるにも困っていたモノたちを必要な人の手へ渡せた。

やってみて思うのは、ビジネスライクにドライだということ。
はなは、自分もねとねとした関係が苦手な方なのでありがたかったが、すごく感謝されたいとか、お礼を言われたいとかなら合わないかもしれない。
欲しいものも明確だし、提携しているショップサイトまであったりネット募金や電子マネーも導入されてて、わかりやすく多岐に渡るぶん「支援」の本来の姿が要求されるなと思った。

はなは、そういう活動にあこがれはするものの向いていない人間なので、たぶんこれが精一杯。
でも、こういう精一杯でも積み重なれば、変わる未来もあると思っている。
自分ちの猫どもに手をかけながら、余力をこういう支援に使えたらいいなと思う。

<本編>
荷物を箱詰めした大きな段ボールは、返事を待つ間猫部屋にそっと置いてあった。
においの出るものもないし、封のあいているものもない。

なんの危険もないと踏んでいたのに、
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がりがり。
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ぱくり。
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ビリーーーッ。
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ゲット。

段ボール自体が素敵な獲物。

貼ってあるテープやシール。
ほつれてる糸や布。
破れてる紙や箱や段ボール。

メロリンは、お口にくわえて引っ張ると何かが取れる遊びが大好き。
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チョイチョイ。
チョイチョイ。
いいものゲットに嬉しいメロリン。

ハゲチョロだった段ボールはさらにハゲチョロに。
ただでさえ再利用なのに、どんどん剥かれて弱体化。

メロリン、段ボールもうかじらないでね。
それ、大事なものが入ってる大事な段ボールなの。
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・・・。
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・・・イヤ。

これはお願いではない、命令だ。

いい、メロ聞いて。
この段ボールは普段うちでぼろぼろにされてるやつらと違って大事な大事な使命があるの!
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(↑ 聞いてない)
チョイチョイ。
びょんびょん。

たくさんのものをそれを必要とする人のところまで運ばなくちゃいけないの!
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(↑ 聞いてない)
チョイチョイ。
びょんスポ。

メロちゃんがびりびりにしていい奴じゃないんだからね!
わかった?!
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ママうるさい。

・・・可愛い娘が、反抗期です。(涙)