※元気だったころの写真は、かなり古写真も使っています。
 本当は、元気だったころを見てほしいのです。

先週の木曜にごまたんが逝ってから、もうすぐ1週間。
時間の流れはとても強い。
あっという間にあの瞬間を過去に押し流した。

10月24日。
午前5時半。
30分ほどの仮眠をとって目覚めたはなは、真っ先にごまたんのお腹を確認した。
もはやごまは、まばたきすらしなくなって半日以上たつ。
瞳は光すら認識せず、体温は30度代前半だろうことが触れただけでわかるほど冷たい。
生きていると確認できることが、呼吸と鼓動しかないのだ。
そっと頭をなでる。
ごまのお腹は、ゆっくりと動いていた。

息を吸う。
ゆっくりとお腹が持ち上がる。
そしてするすると下がっていく。
またお腹が持ち上がる。
そしてゆっくりと下がっていく。
下がって。
止まって。
次は持ち上がるはずなのに。
ごまのお腹は動かない。

「ごま!?」
叫んだはなに寝ていたまーちゃんも飛び上がった。
慌ててごまを抱え上げる。
触った体はさっきと何も変わらないのに、命が零れ落ちたのがわかった。
呼吸がない。
鼓動がない。
うまく支えられなかったごまの頭が、だらりと垂れ下がった。
「死んじゃった・・・?」
「ええ!?」
ふたりで横たわるごまを囲む。
胸に耳を当て、お腹の動きを確かめ、開いたままの瞳の中をのぞく。
ごまは静かにこと切れていた。
雄たけびも、痙攣も、苦しさも、痛みも何もないまま、ごまは旅立ったようだった。
もう一度ごまの体を布団に戻し、顔を寄せる。
頬に触れるごまの額は、もう凍るように冷たい。
でも苦しまなかった。
でも痛くなかった。
あんなに病気を抱えていたのに穏やかに逝けた。
ありがたいことなのに、願っていたことなのに、涙が止まらない。
もう動かないごまのお腹に寄り添って、何度も何度も名前を呼んだ。

1時間後。
まーちゃんとゆたかくんを見送って、はなと猫だけになった家の中。
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ごまたんを、リビングのテーブルに移動した。

ごまたんは、ダイニングテーブルの上で毛布に包まれて横たわった。
ごまたんがうちにいるのは今日が最後。
昼間を1階で、夜を2階で過ごして終わらせてやろうと考えた。
明日は、ミドリちゃんが来て火葬に行くことになる。
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それまでは、慣れ親しんだ家の中を感じていってほしいと思った。

途中でいつもの動物病院に電話をした。
事情を話し、胃ろうチューブを抜いて欲しいと頼んだのだ。
午前の診察の終わりに、キャリーに入らないごまを毛布でくるんで連れて行った。
先生や看護師ちゃんの顔が痛そうに歪んでいた。
「・・・早かったね」
ごまの頭をなでながら先生が言った。
看護師ちゃんは、「ごまたん・・・」と呟いた後、言葉にならないようだった。
最期を話すと、少しだけほっとしたように顔を緩ませた。
院長が引っ張ると、胃ろうチューブは簡単に抜けた。
それを、漏れのないようていねいにていねいに縫い合わせる。
最後は茶巾のように結んでくれた。
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これで、胃ろうチューブの跡を気にしなくていい。
ダンボールの棺桶をもらって、病院を後にした。

ごまたんは、いい子だった。
弟妹も可愛がったし、具合が悪くなるまではあんな豊満ボディでもおもちゃで遊んでいた。
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はなとまーちゃんが喧嘩をしていると、間に入ってきたりうろうろしたり。
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甘えたい時には、9kg近かったわがままボディを抱っこしろとせがんだり。
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お刺身欲しい時には、三つ指ついてじっとこちらを見つめたり。

愛情は人1倍。
食べ物は人2倍。
おいしいものは人3倍。
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楽しくて可愛くて食べることが大好きだった。

最後の夜は、またいつも寝ていたまーちゃんのベッドで、はなと並んで寝た。
つめたくなった手が、いつか握り返してくれるような気がして
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離せなかった。

後編へ続く。