この夏で19歳。
ねこもり家長女にして2代目営業部長。

愛すべきみんなの女帝れんね嬢。
そんな彼女が病に倒れたのは、去年の暮れ。
いっちゃんを皮切りに始まった猫風邪連鎖の中、たったひとり猫風邪罹患をまぬがれたれんね嬢。
れんねはすごい、やっぱりすごいと思ったのもつかの間。
現れたのは胆管炎だった。
前に一度、高熱とともに発症したことがある。
胆のうから出る胆汁の通り道の炎症。
たぶん、前回から完治することなくくすぶっていたのが再燃したんだと思われる。
治療法は、皮下輸液とステロイド。
これで治療は順調にいくかと思いきや、れんねの体は胆管炎以外の症状も見せ始める。
老化というには速い速度で痩せていく体。
出てはいるものの何か不自然なおしっこ。
発熱し、元気もなくした。
理由がわからないので、思いつく端から検査をする。
血液を採り、おしっこを採り、レントゲンを撮り、エコーを見る。
腎不全がステージ2に入っていたことと膀胱炎が判明するが、エコーで見た膀胱に異常を感じたため、おしっこは念のため検査センターに送ることになった。
胆管炎と膀胱炎と腎不全の治療をしながら、待つこと1週間。
れんねの体調は、良くなった症状と悪化した症状が混在していた。
治療のかいあって改善された部分と、治療しているのに悪くなる部分。
嫌な予感はしていた。
こういう勘は、悪い時だけよく当たる。
2020年もあと数日。
手渡された検査結果には、


膀胱の上皮性悪性腫瘍と書かれていた。
胆管炎や腎不全が脳内で吹っ飛ぶ。
癌。
れんねの年齢が浮かぶ。
18歳。
迷うのは、選ぶべき道が少ないからか、その道を選びたくないからか。
先生はよくない事態の可能性を予測していたらしい。
眉間にしわを寄せて難しい表情をして状況を語ってくれた。
れんねが罹ったのは膀胱癌。
膀胱の中に腫瘍ができている癌。
それも、かなり悪い状態。
膀胱の中に腫瘍があるんじゃなく、膀胱の中の壁すべてが腫瘍になっている状態。
とても珍しい癌なのでもともと治療法の数や使える抗がん剤は多くないが、れんねの年齢と状態を考慮すると抗がん剤治療自体が耐えられるとは考えにくく選択肢にはあがらない。
もし治療を望むなら、飲むことができるのは抗がん剤ではないけれど膀胱癌の進行を抑制する効果のある薬、オンシオール一択。
オンシオールは、非ステロイド性消炎鎮痛剤だけどなぜか膀胱癌に効く。
ただし治す力はないので、ゆっくりとでも癌は進行していくことになる。
エコー写真で見るとよくわかるけど、

膀胱の中で黒くなっているのが癌腫瘍だ。

膀胱の中のほとんどを腫瘍がしめていて、真ん中にわずかに残った細長い部分がおしっこを溜めるスペースになる。
この腫瘍が尿道や尿管にできて道をふさげばおしっこは通れなくなる。
尿道や尿管がふさがってしまうと手術をするしかなくなるが、れんねの場合膀胱すべてが癌になっているので膀胱を全摘出をするしかない。
でも、れんねにはその手術に耐えられる体力も体も若さもない。
例えれんねの体がまだ癌にも他の病気にも耐えて頑張っていても、腫瘍が尿道や尿管をふさいだ時点で打つ手はなくなり安楽死という選択を迫られることになる。
胆管炎。
膀胱炎。
腎不全。
そして膀胱癌。
抱えた病は大病ばかり。
迷ったけれど、今できる治療はとりあえずやってみることにした。
ただし、優先すべきはQOL。
どうするか迷うときは、れんねの体が楽な方を選ぶと決めた。
今は、朝2種類、夜は癌の進行を抑えるオンシオール(2日に1回)を含め多い時で4種類の薬を飲み、皮下輸液は毎日50mlしている。
体重は2.9kgまで落ちた。
それでも元気に動いてご飯もしっかり食べていたれんね。
発症に気付いてから3か月間は、穏やかに時が流れていた。
どれだけ踏ん張ってもおしっこをポタポタとしか出せなくなって久しいけれど、先生のジャッジは「出てるならよし!」
違和感も不快感ももちろんあるだろう。
高齢なため、大病だけじゃなく口内炎も関節症も持っている。
満身創痍。
それでも生きる。
れんねは、病を感じさせないほどいつも通りにわがままを言って下僕を使って過ごしていた。
異変に気付いたのは、3月27日、日曜日の夜。
れんねがご飯を食べなくなった。
それまではうー爺の方が食べムラがあって食べさせるのを苦労していたが、れんねはドライフードもウェットフードもおやつもスープもなんでもよく食べていた。
そのれんねが、ぷっつりと食べるのをやめた。
何を出しても、食べたそうにはするもののにおいを嗅いで食べるのをやめる。
慌てて病院に飛び込んだけど、打つ手がないのははなも先生もよくわかっていた。
今のれんねのお腹の中は、何が起こってもおかしくない状態だ。
把握しているのは胆管炎と腎不全と膀胱癌だけど、この状態なら膵炎だって起きててもおかしくないし、最悪癌が転移することだって考えられる。
原因を絞ることさえ不可能に近いし、たとえそれで原因がわかったところで治療なんて難しい。
もともと、できる治療はもうすべてやっている。
悲しいけれど、老いた体にはしてやれることがとても少ない。
とりあえず、今できることとして口内炎の痛み止め注射と吐き気止めを打ってもらうことにした。
実際にそれが原因になっているのかはわからない。
確かめるすべもない。
でももしそれが理由ならこの注射で改善しないかと望みをかけて打つだけだ。
月曜日はちゅーる1本。
火曜日はドライフード4粒とささみの湯で汁ひとくち。
今日はまだささみのおやつを舐めただけ。
れんねの体重は、2.7kgを切った。
れんね自身は、穏やかだ。


膀胱癌の影響でトイレをはしごするのも、



好きな場所を行ったり来たりしてうつらうつらするのも、








大好きなゆたかくんに抱っこしてもらって甘えるのも、今までと何も変わらない。
食べてない以外は、いつも通りの変わらない生活を送っている。
きっとそんなに遠くないれんねの最期は、彼女の思うとおりにしてやれたらいいなと思う。
ねこもり家長女にして2代目営業部長。

愛すべきみんなの女帝れんね嬢。
そんな彼女が病に倒れたのは、去年の暮れ。
いっちゃんを皮切りに始まった猫風邪連鎖の中、たったひとり猫風邪罹患をまぬがれたれんね嬢。
れんねはすごい、やっぱりすごいと思ったのもつかの間。
現れたのは胆管炎だった。
前に一度、高熱とともに発症したことがある。
胆のうから出る胆汁の通り道の炎症。
たぶん、前回から完治することなくくすぶっていたのが再燃したんだと思われる。
治療法は、皮下輸液とステロイド。
これで治療は順調にいくかと思いきや、れんねの体は胆管炎以外の症状も見せ始める。
老化というには速い速度で痩せていく体。
出てはいるものの何か不自然なおしっこ。
発熱し、元気もなくした。
理由がわからないので、思いつく端から検査をする。
血液を採り、おしっこを採り、レントゲンを撮り、エコーを見る。
腎不全がステージ2に入っていたことと膀胱炎が判明するが、エコーで見た膀胱に異常を感じたため、おしっこは念のため検査センターに送ることになった。
胆管炎と膀胱炎と腎不全の治療をしながら、待つこと1週間。
れんねの体調は、良くなった症状と悪化した症状が混在していた。
治療のかいあって改善された部分と、治療しているのに悪くなる部分。
嫌な予感はしていた。
こういう勘は、悪い時だけよく当たる。
2020年もあと数日。
手渡された検査結果には、


膀胱の上皮性悪性腫瘍と書かれていた。
胆管炎や腎不全が脳内で吹っ飛ぶ。
癌。
れんねの年齢が浮かぶ。
18歳。
迷うのは、選ぶべき道が少ないからか、その道を選びたくないからか。
先生はよくない事態の可能性を予測していたらしい。
眉間にしわを寄せて難しい表情をして状況を語ってくれた。
れんねが罹ったのは膀胱癌。
膀胱の中に腫瘍ができている癌。
それも、かなり悪い状態。
膀胱の中に腫瘍があるんじゃなく、膀胱の中の壁すべてが腫瘍になっている状態。
とても珍しい癌なのでもともと治療法の数や使える抗がん剤は多くないが、れんねの年齢と状態を考慮すると抗がん剤治療自体が耐えられるとは考えにくく選択肢にはあがらない。
もし治療を望むなら、飲むことができるのは抗がん剤ではないけれど膀胱癌の進行を抑制する効果のある薬、オンシオール一択。
オンシオールは、非ステロイド性消炎鎮痛剤だけどなぜか膀胱癌に効く。
ただし治す力はないので、ゆっくりとでも癌は進行していくことになる。
エコー写真で見るとよくわかるけど、

膀胱の中で黒くなっているのが癌腫瘍だ。

膀胱の中のほとんどを腫瘍がしめていて、真ん中にわずかに残った細長い部分がおしっこを溜めるスペースになる。
この腫瘍が尿道や尿管にできて道をふさげばおしっこは通れなくなる。
尿道や尿管がふさがってしまうと手術をするしかなくなるが、れんねの場合膀胱すべてが癌になっているので膀胱を全摘出をするしかない。
でも、れんねにはその手術に耐えられる体力も体も若さもない。
例えれんねの体がまだ癌にも他の病気にも耐えて頑張っていても、腫瘍が尿道や尿管をふさいだ時点で打つ手はなくなり安楽死という選択を迫られることになる。
胆管炎。
膀胱炎。
腎不全。
そして膀胱癌。
抱えた病は大病ばかり。
迷ったけれど、今できる治療はとりあえずやってみることにした。
ただし、優先すべきはQOL。
どうするか迷うときは、れんねの体が楽な方を選ぶと決めた。
今は、朝2種類、夜は癌の進行を抑えるオンシオール(2日に1回)を含め多い時で4種類の薬を飲み、皮下輸液は毎日50mlしている。
体重は2.9kgまで落ちた。
それでも元気に動いてご飯もしっかり食べていたれんね。
発症に気付いてから3か月間は、穏やかに時が流れていた。
どれだけ踏ん張ってもおしっこをポタポタとしか出せなくなって久しいけれど、先生のジャッジは「出てるならよし!」
違和感も不快感ももちろんあるだろう。
高齢なため、大病だけじゃなく口内炎も関節症も持っている。
満身創痍。
それでも生きる。
れんねは、病を感じさせないほどいつも通りにわがままを言って下僕を使って過ごしていた。
異変に気付いたのは、3月27日、日曜日の夜。
れんねがご飯を食べなくなった。
それまではうー爺の方が食べムラがあって食べさせるのを苦労していたが、れんねはドライフードもウェットフードもおやつもスープもなんでもよく食べていた。
そのれんねが、ぷっつりと食べるのをやめた。
何を出しても、食べたそうにはするもののにおいを嗅いで食べるのをやめる。
慌てて病院に飛び込んだけど、打つ手がないのははなも先生もよくわかっていた。
今のれんねのお腹の中は、何が起こってもおかしくない状態だ。
把握しているのは胆管炎と腎不全と膀胱癌だけど、この状態なら膵炎だって起きててもおかしくないし、最悪癌が転移することだって考えられる。
原因を絞ることさえ不可能に近いし、たとえそれで原因がわかったところで治療なんて難しい。
もともと、できる治療はもうすべてやっている。
悲しいけれど、老いた体にはしてやれることがとても少ない。
とりあえず、今できることとして口内炎の痛み止め注射と吐き気止めを打ってもらうことにした。
実際にそれが原因になっているのかはわからない。
確かめるすべもない。
でももしそれが理由ならこの注射で改善しないかと望みをかけて打つだけだ。
月曜日はちゅーる1本。
火曜日はドライフード4粒とささみの湯で汁ひとくち。
今日はまだささみのおやつを舐めただけ。
れんねの体重は、2.7kgを切った。
れんね自身は、穏やかだ。


膀胱癌の影響でトイレをはしごするのも、



好きな場所を行ったり来たりしてうつらうつらするのも、








大好きなゆたかくんに抱っこしてもらって甘えるのも、今までと何も変わらない。
食べてない以外は、いつも通りの変わらない生活を送っている。
きっとそんなに遠くないれんねの最期は、彼女の思うとおりにしてやれたらいいなと思う。
コメント
コメント一覧 (13)
ずっとうーちゃんのこと心配してたけど、れんな嬢も大変だったんだ。
はなさん、しんどいね。
れんね嬢に穏やかで幸せな時が少しでも長く続くよう祈ってます
いっぱいいっぱい甘えてね。
祈らせて…ちょっぴりでも美味しいモノ食べて大好きな人達とゆっくり眠れると良いなって…
はなさんには辛い選択の連続ですが、うーちゃん同様QOL大切だと思います。
大好きな家族にたっぷり甘えてゆっくり過ごしてほしいです。
最後までワガママなままでいてほしい
大好きなちくわももうあんまり食べたくないのかな?食べられるものをちょっとでも食べて、穏やかに過ごしてほしいですね
大好きなちくわも今は食べたくないのかな。。
強い印象のれんね様、ゆたかくんが大好きなれんね様、それだけのたくさんの病をかかえながらも、しっかりしてるのは やっぱり強いですね。
せめてもう一度、大好きなちくわを食べることが出来ますよう祈ってます。
長く、長く、ゆたかくんの膝上でまったりして欲しいな。
自分が辛く苦しくても、気品を持って頑張っている。
ゆたかくんに甘えて、大好きなはなさんと一緒に
穏やかな一日一日を過ごしてね✨
最後まで立派にわがままぶっこいて貴方らしい生き方を見せてくださいね。
あまりにも病気が多すぎて、頑張れとはけっして言えないけど、でも、れんね嬢らしい生き方を見せて下さいね。
ありのままを受け入れて、懸命に生きる。
ゆっくりと過ごしてね。
穏やかに過ごしてね。
祈っています✨
強いコは最後まで強い。猫ってすごいといつも思います。
れんちゃんも本当に強い。体の中が沢山の病に犯され、食べられなくなって体重も落ちトイレすらも儘ならない中で、甘える時はちゃんと立って抱っこを催促。見つめる瞳にも弱さを感じません。
自分がここまでと決める時が来るまで穏やかに、そしていつもの様に我が儘いっぱいで過ごして欲しいです。
いろんな病気が身体の中に渦巻いて…でもれんねちゃんは病気ではなく、ありのままの猫生を淡々と生きているような気がします。
穏やかでいられる時間がありがたいです😿
どうか穏やかな時間がずっと続きますように🙏
元気玉、送ります🔥🟠
うちの子は、ちょうど1か月前に旅立ってしまいました。
すごく苦しそうだったので、あともう1回だけでも病院へ連れて行ったほうがよかったのか、未だに考えてしまいます。。。
うちの子も、認知症でたぶん内臓に病気があったと私は思うのですが、病院の先生はお腹に5cmくらいの出来物がある、肝臓の数値も低いと言ったきりで、レントゲンをとることもなくの帰宅でした。あまり、そこの病院に行くこともないからか、何で、レントゲンをとってくれなかったのは不明ですが。
病院に行く前に何故か、「病院に行こうか?」と聞けば、いつもは大嫌いなキャリーにもすぐ入りましたし。よっぽど、しんどかったんやなぁと思います。
いつもはすごくやんちゃな子だったので、今は、もう一匹女の子がいるのですが
家がいつも、しーーーんとしています。
しかも私はほぼ1人暮らしになったので、こんなに寂しいものかと。
ただ、最後を充分に見てあげられたことが、良かったと思います。
物凄く、やんちゃな子だっただけに、よく叱ったし、何なら捨てようか。すら思った位の子でしたが、いなくなってみてわかるものですね。寂しいです。
元気な時、「あの時、抱っこしてよ」を後でね。って自分が面倒だからって
今頃、後悔しています。
はなさんなら、そんなことはないでしょう。
ねこもり家、応援しています。
れんちゃんも、うーちゃんも!!!