状況は、ゆるやかに終焉へ向かう。
うーの体はゆっくりとだが確実に永遠の眠りにつこうとしている。
ピンクだった肉球は、まっしろになった。
夜に入れた輸液はもう吸収されて跡形もない。

うーは、はなの枕で横たわっている。
まわりでは普段と変わらず弟妹がどたばた動いている。
19年間、はなの横に当たり前にあったものだ。
いつもの光景。
そしてもうすぐ見れなくなる光景。

体温はたぶん30度台前半まで落ちている。
体が死ぬ準備を始めている。
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最後のあがきと電気毛布を使ってみたが、
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もうまっすぐ歩くことも困難な体を引きずって枕に移動されてしまった。
もう一度試したら、這いずって階段の踊り場に逃げられた。
あたためられるのは嫌なんだそうだ。
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ぼくは気に入った!

ニコちゃんは電気毛布とともに撤去。

幸いなことに、苦しそうなそぶりはない。
呼吸も落ち着いている。
一度嘔吐しようとして何も出なかったことはあるが、それ以外はいたっておだやかだ。
おだやかに、動きが散漫になり、反応が鈍くなり、呼吸がゆっくりになる。
ちゅーるを差し出したらかぶりついてひとくちだけ食べた。
でも、ふたくちめは拒絶した。

まだ寝相を変える動きはする。
肉球に触れると、きゅっと握り返すしぐさもする。
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ただひたすら名前を呼んで、
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できうる限り撫でてやる。

揺るがない死を前にすると、人は本当に無力だ。

やることはやった。
結果はでなかった。
だから覚悟を決めた。
うーを楽に逝かせてやりたいと思う。
苦しくなく痛くもない、今のこのおだやかな流れを守る。
ミドリちゃんが「老衰は苦しくない」と言っていた。
その死は穏やかで、木が枯れるようにそっと時を止めるだけだ、と。
それはもしかして、とても幸せなことなんじゃないかと思う。

ぴっくん、ももんち、ライライ、こっちゃん、ごまたん。
うーを迎えにきてあげて。
そして、
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どうか、眠るようにやさしくはなの可愛いおじいちゃんを連れて行ってあげてください。