今思えば、あれが最後のきらめきだったなと思う日がある。
亡くなる4日前、4月の27日から28日にかけて。
すっかり職が細くなっていたうーが、まるで別人のようによく食べた。
その数1日10食近く。
「まだ食べる」「まだ食べる」と吐きもせずにがっついた。
抱っこもせがんで、良く歩いて、よく鳴いた。
それは久しぶりに見るうーの元気な姿だった。

何もかも吹っ飛ばして回復したのか?
一時的に調子が悪かっただけだったのか?
もしかしてこのままよくなっていけるんじゃないか。
一瞬だけそんな夢を見た。
でも、違う。
わかってる。
それは『中治り現象』とよばれるもの。
回復というよりは命が燃え尽きる前に最後の力で大きく燃え上がった瞬間なんだと言われている。
欧米では『last rally』(最後の回復)というらしい。
そこで食べたいものを食べてやりたいことをやったうーは、案の定、翌29日には体温が下がり最期の階段をゆっくりと下り始めることになった。

それでも、穏やかな穏やかな最期だったと思う。
うろうろした挙句、はなのベッドを最期の場所に決めたうー。
だんだんと寝返りすることもなくなり、鳴くこともなくなり、反応もなくなり、お腹の上下だけが生きていることを証明する時間が10数時間続いて、痙攣し始めてからはわずか1時間だった。
ずいぶん早い段階で意識は朦朧としていたと思う。
何度か目覚めることはあったけど、あまりしんどさを感じてなかったらいいなと思う。

心筋症、口内炎、認知症、たぶん最後の方には腎不全も発症していたんじゃないかと思うけど、どれもうーの命までは取らなかった。
老衰。
たぶんきっとそうなんだろう。
19歳と2カ月半。
その前日まで自分の足でトイレに行きながら、
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うーは寿命を全うした。

本来なら、うーが亡くなった次の日には火葬場に持っていくはずだった。
1晩家でゆっくりして、次の日にはお別れをする。
今までずっとそうしてきた。
でも、できなかった。
まーちゃんに駄々をこねて、1日伸ばした。
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いなくなるという覚悟がついていかなかった。

うーちゃんは、猫と仲良くなれない猫だった。
最初から多頭飼いで実の兄弟であるももんちもずっとそばにいたのに、なぜかひとりでぽつんとしていることの多い子だった。
れんねをいじめ、その後やり返され。
まめをいじめ、その後やり返され。
ちーにいじめられ、その後さらにいじめられ。
晩年やってきた子猫らとは少し仲良くしていたみたいだけど、ずっと友達のできない子だった。
だから、おのずとはなとの時間は多くなる。
ずっと一緒にいた。
多頭飼いとは思えないほど、ずっとうーといた。
引き離されるのは、亡くなったことと同じくらい辛かった。

諦めがついたのは、悲しいくらい現実的な理由だった。
うーの体からは、あっという間に腐臭がするようになった。
亡くなる前からしていた死臭よりも、もっとリアルな肉や液体が腐っていくにおい。
とても早く、うーの体は朽ちている。
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猫たちは近寄ろうともしなくなった。

それでようやく送る決意をした。
そこまでしなきゃ出来なかった。
一緒に過ごした19年は、とてつもなく長い。
最後はいつも通り送ってやろう。

5月3日。
昨日までの雨が嘘のように晴れた日。
今日、うーを送り出す。
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棺桶代わりの段ボールに毛布と一緒に移動。
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小さくなった体のせいで隙間はもりだくさん。
亡くなる前日にはかったのが1.7kgだったから、今はもう少し軽いだろう。
抱き上げてももう重さを感じない。

ここに目一杯お土産持たせて送ってやる。
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掛け布団ははなのTシャツ。
昨日まで着てたチキンラーメン号。
たっぷり着ていけLLサイズ。
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あとは、パウチにおやつにスープに
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まぐろにささみに焼サバ。
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入れすぎ。

だって持たせてやりたいやつばっかだもん。
うーの好きなものばっかりだもん。
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べつにうーちゃんはどうでもいいけど。
お見送りはおいしいにおいにつられたふたり。
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自分まぐろ。
ぼくささみ。
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どっちもダメ。
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恨めしそうな顔禁止。

溢れんばかりにぎゅうぎゅう押し込めたのは、ご飯とおやつとはなの愛。
今日はコロナ対策でミドリちゃんがいない代わりに、GWのまーちゃん参加。
これがほんとのほんとに最後。
何度も撫でて、何度も声をかける。
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いつもの葬儀場で、険しい顔のまーちゃんと涙ぼろぼろのはながお見送り。
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うーちゃん。
最後までよく頑張ったね。
かっこよかったよ。
うちの子になってくれてありがとうね。
毎日楽しかった。
ポンコツ爺、大好きよ。
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また、会おうね。