1日があっという間に過ぎていく。
具合の悪い猫に張り付いた生活は、時間の感覚を狂わされる。
膀胱癌を患うれんね嬢の状態は、とても元気。
だけど、とても悪い。
意味不明だけど、これが現実。
抱えた病気は多いのにできる治療が少ない中、毎日の皮下輸液と抗生剤、全身に効く痛み止めに耳に塗るタイプの食欲増進剤を継続中。
これがれんねの生命線。
体重2kgのガリガリの体に重い病を抱えて、それでもなんとか生きている。
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れんねは6月で19歳になった。

今のれんねは、自分の体を支えることさえ難しい。
歩くだけでふらつき、向きを変えるだけでよろめき、高さのあるものがのぼれないだけでなく、下りた勢いを受け止めきれずすっころぶ。
肉の落ちた体は、れんねに残された力の限界を感じさせた。
体力。
筋力。
気力。
生命力。
でも、長くはないと実感する。
この夏はこえられないだろう。
へたすれば6月だって厳しいかもしれない。
もっと言えば、明日明後日急変してもたぶん驚きはしない。
むしろ、よくこの年齢と体と病でここまで頑張っている。
先週、今まで口には出さずにいた現実を、まーちゃんとゆたかくんで共有した。

多少落ち着いたとはいえ、1日にトイレに行く回数はとんでもなく多い。
この頃は、漏らしてしまうことも増えた。
おしっこは出ているだけマシなので存分に漏らしてくれるのは全然かまわない。
だが、おしっこが出なくて苦労しているのに漏らしてしまうとはどういうことか。
おしっこが出るようになったことについて、先生は「腫瘍が小さくなることはないけれど、炎症の方はステロイドや抗生剤でおさまってきてスペースや通路があいたのではないか」と言っていた。
それはとても嬉しい可能性だったけれど、では漏らすのはどういうわけか。
たぶん、れんねがもう自分でコントロールしきれなくなっているということなんだろう。
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毎日の皮下輸液と多飲多尿が進んでるせいで尿量は多く、れんねが歩いた後にはおしっこ溜まりがいくつもできるのがもはや日常だ。
お尻は常にべたべた。
いっそおむつをつけた方がお尻が汚れないのかもしれない。

目もよく見えてないようで、開いたままの瞳孔であらぬところを見ていることが増えた。
眠りは浅く、寝つきは悪く、暖房をつけていても寒いのか誰かに寄り掛かることも増えた。
十数年もしていなかったのに、この頃ははなの横にも添い寝に来るのだ。
れんねに負けず劣らず眠りの浅いはながふと右腕に感じるぬくもりに目を開けると、ちょこんと座った灰色のお尻がそっとはなに触れていたりする。
気が強いわりに実は甘えん坊なれんね。
昔はママ大好きで、ももんちやうーちゃんとはなの腕まくら争奪戦をしていたことを思い出す。
なんとかしてやりたい。
でももうできることがない。

昨日はどうしても食べたくない日だったらしく、口にしたのはちゅーるだけだった。
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老いが先か病が先か。
状態は確実に悪くなっている。