あじくんが倒れて1週間。

毎日通院はしていたものの回復は見られず。
やれることをやりつくしてようやく現状維持で踏みとどまっている状態。
ただ、それはぐったりしていないとか、嘔吐していないとか、そんなレベルの話。
症状を見てみれば、黄疸は日に日にひどくなっているし、体はいつもふらついているし、脱水するまでの時間も短くなっている。
どう考えても見えない部分は悪化しているとしか思えない。
それでも、今日はその現実を確認してこれからの方向性を決めようと思った。

しかし。
その考えは採血し始めてすぐ絶望に代わる。
血液の流れが悪すぎて採取できないのだ。
あじくんは抵抗する気力もないのか保定しているはなの腕に頭を預けておとなしくしているけれど、注射針から血液が出てこない。
「循環が悪い…」と先生がつぶやいた通り、ゆっくりゆっくり時間をかけて必要量を採取した。
皮下輸液を入れれば、立ってるのもつらいらしく前足を折り畳みゆるい箱座りでうつろな顔。

嫌な予感しかしない検査結果は、
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案の定最悪だった。

あれだけ薬も皮下輸液もしたのに。
強制給仕もする方もされる方も頑張ったのに。
現状維持どころかおおむね悪化。
総ビリルビンに至っては先週でさえ正常値の20倍だったのに、今日はさらにそれが倍。
絶句だった。
この数値で自力でトイレに行って階段をのぼりおりしてベッドに上がるあじくんがすごすぎる。
もういつ何が起きてもおかしくない。

数値の説明を聞きながら「ここからの治療でこの状態が回復することはあるか」と問うたはなに、友人である先生は「現実的にそれはかなり難しいと思う」と答えた。
「そう」と発した声は音にならず、ため息として消えた。
回復はもう見込めない。
現状がほんの少し上向く瞬間はあるかもしれないが、それは長期的な下降の流れの中の上振れ。
あじくんに残された時間がどのくらいあるかはわからないけれど、あじくんはこれからそんなに遠くない死に向かっていく。
なら、やらなきゃいけないことはひとつ。
はなが悲しいだの寂しいだのなんてことは後でゆっくり凹めばいい。
今はあじくんのしんどさと痛みを取れるだけ取る治療に舵を切る。
毎日だった通院回数を減らしてあじくんの負担も下げていく。
通院で減った分の治療は家でする。
投薬、皮下輸液、強制給仕。
ただし、常に引き際を考える。
自分があじくんに死なないでほしいからと無理やり延命するのは本意じゃない。
望むのは、穏やかな日常と、穏やかな死。
楽に逝ける道があるならできるだけその道を選んでやりたい。

そう思った今日の夜。
あじくん、発熱。
体温40度。
午前中の通院時に入れてもらった皮下輸液はすっかり吸収されて脱水の症状も出始めている。
黄疸は口の中まで黄色に染めた。

あじくんは今、
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ベッド下のマカロンハウスで眠っている。