11月末に肝臓を悪くして倒れたあじくん。
開腹できないから正確な病状はわからないけど、少なくとも肝臓、すい臓、十二指腸は炎症を起こし、胆管は詰まって黄疸発症。
最初の一週間は病院に通い詰めて、食欲のないあじくんに毎日むりやり強制給仕をした。
それでも、肝臓の数値は明確に悪化した。
だから、諦めた。
年齢、状態、数値、病状、体調。
いろんなものを考慮して、今のあじくんに回復のために嫌なことを強いるのは酷だと判断した。
あじくんに残された時間を、穏やかに、嫌なことはしないで過ごしてもらいたいと思った。
だから、次の一週間は、薬も給仕も何もかもやめた。
何もしないで、ひたすら横たわるあじくんを見つめていた。

食事もとらない。
水も飲まない。
立ち上がればふらついている。
体重減少も止まってはいない。
それでもまだ壁にもたれながら自力でトイレに行くあじくんを、毎日ただただ見つめていた。

ある日。
よろよろのあじくんに「何かちょうだい」と要求された。
何もしなくなって5日目か6日目頃だったと思う。
座っているだけで体のぐらつくあじくんが、鎮座してこっちを見上げていた。
ちゅーるをあげると、よろけながらひとくち食べた。
そして、お水を飲んで寝どこに帰っていった。

ああ、最後の晩餐かな、と少し思った。
亡くなる少し前に来ることのある『中直り現象』。
死の間際に、一時的に回復したかのような一瞬のキラメキを見せる現象。
今までも何度か経験したことがある。
それが起きると、いつもそこを境に加速するように死へ進んでいった。
あじくんも、そうなるのかな、と思った。
だから、その夜、また何かちょうだいと言ってきたときもそう思った。
次の日の朝のちょうだいコールもそう思った。
その昼も、夕方も、夜も、そう思った。
次の日もそう思った。
その次の日もそのまた次の日もそのまたまた次の日もそう

思わねえよ。

え?
なに?
めっちゃゴハン食べるやん。
めっちゃ生きてるやん。
一瞬のキラメキも5日続けば一瞬じゃねえわ。
ピッカピカだわ。
そしてテッカテカだわ。
中直り現象長すぎるだろ。

もうそれ、回復してんじゃね?

確かに。
ひとくちしか食べれないならせめておいしーもの食べさせてやりたいと頑張った。
各種ちゅーるに各種パウチにトッピンク3種。
スープもいくつか用意してドライフードも三ツ星グルメ箱買い。
さらに、大好きなささみに寒サバに真あじに本マグロ。
ネコスタグラムなら隠れた名店と噂されるレベル。
おすそ分けもらう弟妹らが食べた過ぎて発狂するラインナップをそろえてきた。
この世に未練がないようにと頑張った結果、逆に未練残らせまくった。

ナイスはなの弱い意思。
グッジョブあじくんの強い食い意地。
そして。
犠牲になったまーちゃんのボーナスに敬礼。

早速病院に連れて行って、先生と大爆笑。
黄疸薄くなってる。
脱水治ってる。
毛並みピカピカしてる。
治療に文句言って抵抗する力がある。
何より目が生きてる。
あじくん強い。
生きる意志が強い。
「猫は予想外なところから復活してくる子がいるけど本当に読めない」と大喜び。
これなら治療はした方がいいと、肝臓の薬と抗生剤が1か月分出された。
とりあえずは自宅療養メインで病院は週に1回の点滴のみ。
血液検査の結果はきっとまだ悪いやろうから再検査は年明け予定。

今、あじくんは、
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起きた。
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くあ!
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おなかすいた。
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おなかすいた!
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順番来ない。

いつものゴハンもいけるように。

それで不服なら、
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なんかチョーダイ。
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もりもりもりもり。

食いしん坊万歳。

痩せてしまった体は元に戻らないし、壊れた肝臓も元には戻らない。
でも、来年までたどり着けそうです。
号泣。