今週月曜、ごまたんは体調を崩した。
灰色の軟便をし、体温は39.6度。
病院で、抗生剤の注射と薬をもらった。

朝にはまだ食べれたご飯は、昼過ぎに完全に食べれなくなった。
普段のゴハンも、普段のごちそうであるゴハンも、目すら開こうとしない。
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エアコンが緩やかにきいている寝室へ自ら入っていって、ひたすらうずくまっていた。

夜には熱が41度まで上がる。
どこを触っても熱い体は小刻みに揺れ、脱水をし始めていた。

食事をとれない、水も飲めない、病院はもうやってない深夜。
久しぶりに胃ろうチューブで食事と薬と水を入れる。
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それを時間おきに繰り返し、火曜日の昼間、ようやく39度まで体温が下がった。

生きた心地のしない1日だった。

免疫を下げているからしょうがないとはいえ、ここのとここういうことがたまに起こる。
抗がん剤が効いている証拠なのだけれど、肝が冷える体調不良だ。
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ほぼ1年前。
2016年9月頭。
ごまは、悪性リンパ腫だと診断された。
それまで何カ月も下痢や嘔吐に苦しめられた結果がこれだった。

当時のごまは、生きていることがかわいそうな状態だった。
それでも、もう1度お刺身をおいしいと食べられるようにならないかと、今のままでは肝リピドーシスから必死な思いで立ち直った意味がないと、ごまを抱きしめはなは毎日祈っていた。

今、ごまはあやういガラスの上ながらも日常を手に入れた。
きっとこれ以上を望むと高望みになってしまうのだろう。
でも、院長は、その先を見始めた。

減薬。
経口の食事。
そして、抗がん剤の終わり。

9月末まであと2クール。
それをやりきって、簡易の健康診断をする。
それで悪い数値や結果が出なければ、抗がん剤は終了しようと思う。
院長からそう告げられたのは先々週だった。

ごまの抗がん剤は、1年以上続けてもその先への効果が変わらないという論文があるらしい。
だったら、負担の少ない辞める道を選ぼうと、そう話が出た。

夢のような話だった。
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抗がん剤を続けても、1年生きられないと言われていた。
院長の経験上も、聞いたケースでも、ごまのガンで1年もった子がいないと言われた。
それが、1年を無事に生きられただけではなく、抗がん剤まで終了できる可能性がある。
心の底から救われたような気がした。

1年間の抗がん剤治療は、楽ではなかった。
はなも、まーちゃんも、ねこもり家の家計も、ごまもしんどかった。
それでも、命がかかっているならやめる選択はそもそもできない。
寿命の短い猫でこうなんだから、人間だったらどれほど大変かと思いをはせることさえあった。
その戦いが今、ゆっくりと実を結ぼうとしているのかもしれなかった。

ごまは、ゆっくりと前に進んでいる。
自分のペースで。
自分でゴハンを食べて。
イイうんち出して。
毛づくろいをしてされて。

そんな当たり前の日常が、ほんとに遠くて仕方なかったこの1年強。
それは、もうすぐそばまでやってきた。
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慎重に、大事に。
絶対に日常を取り戻してやりたいと思う。