夜。

寝ていると、リビングのほうから金属音がする。

何かあったかと見に行けども、



寝る前と変わりない光景。



片付けてない食器も、あげたままのゴミ箱も、邪魔すぎて乗せたバランスボールも、

こっちゃんの粗相がこんなタイミングでフィーバーしてくれちゃったもんだから、足りなくなった室内干し代わりに掛けておいたベッドパッドも、

みんなそのまんま。



それでも、カキン、カツンと鳴る金属音。

金属といえば、目の前にある、まーちゃんがコレがないと俺の夏が始まらないくらいのことゆって買ったもののほぼ誰も使ってないトレーニングマシンしかない。

かかっているベッドパッドをそっとめくってみる。



なんかいた。



背もたれの上で、鉄のフレームに手をかけて立ってるちーちゃん。



夜中にびっくりするじゃん。

なに、ひとりでこそこそトレーニングでもしてたのー?笑



・・・してたのかもしれない。



なにその、なんとも言えない悲しい表情と、事実から目を背けたくなる体型は。


 

 

 
無言で数秒見つめあった後。

そっとベッドパッドをもどして、リビングのドアを閉めた。