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ムクムク茶トラのこっちゃんは、
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まーちゃんのことがそりゃあもう嫌いである。


小泉今日子の木枯らしに抱かれてを聞くと思い出すこのふたり。
まーちゃんは、こっちゃんの見た目がもうタイプでタイプで可愛くて可愛くて仕方ないのに、こっちゃんはまーちゃんが大嫌い。
もう、かれこれ10数年、切ない片思い。
あなたは気づかない。
気づいてるけど無視してる。


こっちゃんの血肉となるゴハン代は間違いなくまーちゃんが稼いでるのに。
そういう意味では、今のこっちゃんをつくったのは間違いなくまーちゃんなのに。
恩も情もかけてもらえない。


今日も、バイク通勤のためにモッコモコに着込んでた服を脱ぐまーちゃんの奥では、
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こそこそ逃げるこっちゃんの姿。


そのへんの忍者より静かにキャットタワーからおりて、まーちゃんが向こうむいてる隙に、うまいこといちごの陰に隠れた。
これでよし。
オイラの居場所はバレてない。
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ばっちり目が合う。
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只今、時が止まるほどの絶望を経験中。


それでも立ち止まってはいられない。
まーちゃんが着替えている間に、なんとか見つからないようにしなくては。
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今度はいちごの後ろのFITSケースが1段低くなってるのを利用して隠れる。


できるだけ低く!
できるだけ静かに!
これで向こうからは見えないはず。
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まわりこまれるのは想定外。


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嬉しそうにこっちゃんを撫でるまーちゃん。(←普段触らせてももらえない)
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テンション落ちっぱなしで上げる気もないこっちゃん。(←触られるのさえ嫌)
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まーちゃんの一方的な愛が溢れる、いつものふたりのコミュニケーション。


相変わらずとれてない。


かつて、まーちゃんが自慢げに言っていた「半年に1回のペースで来る、こっちゃんが出勤前の俺に別人のように甘えてくる数分間」。
まーちゃんの最後の心の支えだった、こっちゃんの“半年に数分だけの心変わりイベント”。
かれこれ1年近く来てないような気がするのは気のせいか。


フレンドリーな性格で、初代営業部長でもあったこっちゃんが、まーちゃんだけ嫌う謎。
このまま迷宮入りまっしぐら。
カルカンは猫まっしぐら。


当の、残されたこっちゃん。
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完全にまーちゃんの背中が見えなくなった頃、ようやく顔をあげて、
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嫌だった気持ち全力投球。


取り付く島が全くない。