はなの住む町には、人間の火葬場でペットも焼いてくれる制度がある。
役所でお金を払い、動物の「火葬許可証」を取得する。
金額は、市民なら5000円、市外からなら10000円。


その代り、共同火葬なのでお骨は持って帰れない。
でも、焼いてもらった他の動物たちと一緒に、すぐ隣にある慰霊碑に入れてもらってみんなで供養される。
火葬を頼むときも、きちんと小さな祭壇にのせて、お線香を一本ずつあげてから受け取ってくれる。
慰霊碑はいつでも参拝できるし、年に一度、大きな供養祭もしてもらえる。
2年前に亡くなった白猫うーの兄弟ももんちも、実家の初代猫まるくんも、2代目そら子も、うちはみんなここに入ってる。


ぴっくんも、ここに入れることに決めた。


夜のうちに市役所の夜間受付で「火葬許可証」を取得。
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最後の夜は一緒に寝た。


出来るだけ日の高いうちに火葬してやりたかったので、朝は早めに起きて最後に持たせてやりたいものを選ぶ。
まずは、段ボールの棺にお気に入りだったミドリちゃんお手製の座布団。
枕代わりにフリースを巻いて、最後はよく使ってたひざ掛けを。


ぴっくんは、前日夜まではなが強制給仕をしていたので、空腹が辛かったことはないだろうけど、やっぱりゴハンは必須。
ずっと食べてたジューシーシリーズのパウチとa/d缶、おやつの鰹節と煮干しとカニカマはジップロックにして入れた。
あとは、家にあるだけの種類のカリカリ。
何度も食べたそうにお皿を覗いては諦めてたから、これも少しずつジップロックに入れてやった。


そして、オモチャ。
もともとどんくさいけれど遊び好きだったぴっくん。
新品の4連ねずみと、ブンブントンボと、キラキラボールを目一杯詰め込んだ。


みんなとも順にお別れ。
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わかってないちー。
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なんかわかってるれんね嬢。
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どうしても寄ってこなかったこっちゃんは、無理やり顔だけ見せた。
生まれてから一度も離れたことのない兄弟だ。
最後の顔くらい見ておけ。
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飛んで逃げたあと、距離を保ったままこっちを見ていたこっちゃん。
他の子は、いつも通りどこかで寝ているのか姿を見せなかった。


ミドリちゃんが一緒に行くと言うので、実家に寄ると、庭に咲いてたなんかよくわからん花でおめかし追加。
ミドリちゃんがせっせと育てた花らしい。


最後に、開店したてのスーパーによって、キハダマグロを買った。
これで終わり。
ぜんぶ終わり。


火葬場について、ミドリちゃんが受付をしてる間、そっと棺を開ける。
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小さな棺に、大きな体のぴっくんとぎゅうぎゅう詰の手土産。
狭いけど、持たせてやりたいものだらけなんだ。
ごめんね。
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冷たくなった背中を撫でて。
冷たくなった頬に手をそえて、
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最後のお別れを言った。


見上げた空は
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綺麗な青でした。