どうにもこうにも調子がおかしいねこもり家のパソコンちゃん。
はなの必死の努力もむなしく、なかなか完調にはいたらない。
もう大丈夫かと思わせといて、急にフリーズしたり電源オフってくれたり。
原因がわかったところで直せるのかコレ、というどん詰まりルートまっしぐら。


それでも、はなは必死に可能性を探る。
まーちゃんに
「買い替えるお金?ないよ」
と切り捨てられた以上、はなに残された道は“このパソコンを修理する”以外ありえないのだ。


そんな、草木も眠る丑三つ時。
物音ひとつしない家の中は、みんな寝静まっている。
ひとりパソコンに向かうはなは、小さな違和感を覚えた。


「…なんだろう。視線を感じる?」


まわりを見回しても、視界に入るのは爆睡して寝こけている猫ばかり。
誰かがこっそり起きているというわけでもなさそうだ。


なんだろう。
でも、間違いなく感じる。
はな、今誰かに見られてる!
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そこかよ。


何やってくれてんの、あじくん。
それエコバックだよ。
こないだミドリちゃんにもらったとこだよ。
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入ってみたら、意外によかったッス。
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中も見た目より空間があって快適ッス。
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わー、ほんとだ。
中、広ーい。
これならゆっくり寛げるネ☆


じゃねえわ。


まさかそんなとこにかけたエコバックに入るなんて思わないから、ノーガードだったわ。
こんちくしょう。
あじくんの賢さ、ろくな方面に発揮されねえなオイ。
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…あじくん、いいとこげっとしてる。
ぼくこんなとこにあるふくろ、ぜんぜんきづかなかった。
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うらやましくてたまらない。


なので、
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勝手に順番待ち。
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ぼくがならんでるんだから、はやくかわらなきゃいけないきもち。


なにその緩やかな強盗の理屈。


何か楽しいおもちゃを新発見だったのかもしれないけど。
残念ながらそれは撤収。
没収。
ボッシュート。


君たちのお肉の重みで
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フックの異変が隠せない。


これ以上ものを壊すのはやめてくださいお願いします。