胃ろうチューブをつけているため服を着ることが必須なごまたん。
最近、背中にフケが出始めているのは気づいていた。


軟膏を塗ってみたり、タオルドライしてみたり。
一生懸命ブラッシングした結果、

隠れてた大傷発覚。


5cm角の、皮膚ごとはがれた毛束の下に隠れていた10cmほどの大きな傷。
ごっそり抜けた毛のまわりは細かなフケでおおわれて、傷部分にはかなり分厚いかさぶたができていた。


これは何なんだろうと考えた。
例えば、何か外的要因があったかもしれない可能性は否定できない。
何かに引っ掛けたとか、つっくんに噛まれたとか、引っかかれたとか。


つっくんがらみが多いのは、そんな馬鹿なことあいつしかしないから。


でも、そんな心当たりはない。
ごまたんが背中に違和感や痛みを感じた様子もないし、背中を気にしたりどこかにこすりつけたりしていたこともない。
もちろん、今だって平気で触らせてくれる。


先生は、悪性リンパ腫は何が起きてもおかしくない病気だから、と言った。
免疫が狂ってるから、皮膚の状態が悪くなって、皮膚炎が起きて、今の状態になることも当然ありえる、と。


全身のどこからどんな不調が起きるかわからない。
そして、それらには対処療法以外の治療がない。
リンパ腫由来の不調は、リンパ腫がある限りなくならないからだ。

5か月前の手術以降、禿げたまんまの左側。

なんとか持ちこたえていた右側にも、かさぶた付きフケ付きの大傷。


目には見えなくても、確実に病気は進行している。


それでも。
元気がやる気が食欲があるごまたん。
まぐろの頬肉を焼いてあげると

じいっ。

じいっ。

じいいっ。


カガヤク瞳が待ちきれない。


生きる力と食い意地は、本当に本当に強いタイプ。


ほとんど煙は出てないけれど。
はなには何もにおわないけれど。
ごまには何かがわかるらしい。

ボクそれ食べたい。

(ものすごく食べたい)


目の上が少々ハゲたせいで困り顔が超得意。


今急いで焼いてるからね。
もう少し待ってね。
もちろんごまたんの分だからね。

まだかな。

まだかな。

まだ、かな。

もう待てぬ!


待ちきれないこの気持ち。


弱火でじっくり焼くから少しだけ時間のかかるまぐろ頬肉。
ようやく仲間で火が通ったので、さましがてら身をほぐす。

つっくん邪魔しないでね。

さあ、やるか。

やめろ茶毛坊主。

いたずら坊主はもれなく捕獲。


おまちどおさま。
細かくほぐれて、ほどよくさめた。

それを見上げるカガヤクごまたん。

さあどうぞ。
いっぱい食べてね。

おいしいおいしい。

おいしいおいしい。

おいしいおいしい。


あじくんしれっと便乗中。


焼き上がりを狙ってたもうひとりの問題児は、

いくの!

えい!

たのしいの!


とても簡単に懐柔中。


食べても全て戻してしまうから、食道の負担も考慮しなきゃいけないのも事実。
でも、ごまたんの食道拡張症はもう治らないから、気にしてたら食べられないのも現実。
悪性リンパ腫由来の嘔吐の呼び水にだけはならないよう、おいしいものを食べさせてやりたい。


なんせ、

食いたい欲はまだまだある。


この後やっぱり吐いてしまったけれど。
吐いて食べてを繰り返したけれど。
おいしかったと思ってくれてたらいいなと思う。


だからごまたんの邪魔はしたらダメ。
わかった、つっくん。

だいじょうぶなの。
おいしかったの。


いつの間に。