封鎖された窓の前。
メタルラックブリッジの下。
そこにはうーちゃんの大事な大事な巣がある。


ゴハンとお水と寝床を備えた小さなおうちは、

只今奴らの愛の巣に。

すりすりぬりぬり。

うちあじくん大好き。

大きな背に全身ゆだねて、

ここだけ少女漫画ど真ん中。


ハートイケメンのあじくんと小悪魔メロリンがアッツアツのイッチャイチャでヒューヒューがラッブラブ。
そりゃラブの発音が「ルァヴ」になるわ。


だけど、忘れちゃいけない大問題。
あの家には、

・・・ワシの・・・おうち・・・。


持ち主がいる。



あれ、ワシのおうち。
あれ、ワシのベッド。

なんか、黒とまだら入ってた。

そんでいちゃいちゃしておった!

・・・もしかしてワシもおよばれしてたりするんかの?

目を凝らす。

隙間ないのう!

ワシが入れる隙間ないのう。

・・・ないの。


哀れ。


輪に入れないことは理解したうー爺。
せめて我が巣は取り返したい。

ワシはぁ~ここにぃ~いるのじゃあ~。
おうちぃ~入れずぅ~待ちぼうけぇぇぇぇ~。

なあによう、うるさいわねえ。
シャウトの甲斐あって、ようやく片割れメロリン起床。

そこワシの家なんじゃ。
ワシそこで寝たいんじゃ。
その家返してくれんかの。

「絶対嫌」


・・・。



なんでじゃああああ。

なんでじゃなんでじゃ。

なんでじゃなんでじゃ。

なんでなんじゃああああ!!


お嬢の目の冷ややかさ。


結局おうちを取り返せなかった爺。
ぐずぐずうだうだ言いっぱなし。


はなの「こっちおいでよ」も無視して

ワシ、絶対取り返す。
どいたらすぐ奪えるようにスタンバイ。


でも。



・・・やっと寝たとこなんス。

静かにしてやってくださいね。


ルァブ!


同じ男でここまで違うか。
いやもうなんていうか完敗。
そりゃメロリンもあじくんラブだわ。


うーちゃん、悪いこと言わんから、開いたら取り返しておいてあげるから。
ちょっと他のとこ行ってた方がいいかもよ。

・・・なんでじゃ。


その中には爺が一生手に入れられない世界がぎゅっと詰まっているから、かな。
心折られる前に、はなの優しさ受け取っておけ。